【投資バイアス】近接性バイアス ~身近に運命を感じてはいけない~

バイアス

「テクノロジー業界で働いているから、テクノロジー関連の株に投資するのがベストだ」

「地元の企業のことならよく知ってるからそこに投資しよう」

「友人が働いてる会社の話はよく聞くし投資すれば儲かりそう」

あなたはそのように考えたことはありませんか?

実はその考え「近接性バイアス」が影響している可能性があります。

「近接性バイアス」は感情に基づく投資が多くなりがちなため、必ずしも最善の投資選択をしているわけではない危険な思考の癖です。

特定の企業や業界に過度に依存することで、リスクヘッジが効かなくなり、ポートフォリオ全体の安定性が損なわれる可能性があります。

多くの専門家や研究が近接性バイアスの影響力を指摘しており、多くの著名投資家もこのバイアスに注意を払っています。

この記事では、近接性バイアスの一般的な意味から、投資における具体的な影響と対策について解説します。

近接性バイアスを理解して対策することで、より効果的な投資戦略を築くことができます。

この記事で近接性バイアスとは何か、その投資における影響と対策について学びましょう。

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近接性バイアスとは何か?

あなたは自分がよく知っているものや身近なものに投資することが安全だと感じたことはありませんか?これが「近接性バイアス」の一例です。

近接性バイアス(Proximity Bias)は、物理的に近い人々や事象に対して好意的または重視する傾向を指す心理学的なバイアスです。

このバイアスは、職場でのチーム作成や評価、人間関係など多くの文脈で影響を持ちます。例えば、オフィスで働いている人がリモートで働いている人よりも評価が高くなる可能性があるといったケースが考えられます。

投資における近接性バイアスについて

投資における近接性バイアスは、投資家が自分にとって身近な、またはよく知っている資産や市場に過度に投資する傾向を指します。

これは国内株に偏ったポートフォリオを持つ、地元の企業に投資する、あるいは自分が働いている業界に特化した投資をするなど、多くの形で現れます。

このバイアスによって、投資家はリスクを適切に分散させる機会を逸してしまい、ポートフォリオのパフォーマンスにネガティブな影響を与える可能性があります。

近接性バイアスは、投資家が全体像を見失い、多様な投資機会を考慮しない結果を生むことが多いです。

投資家が陥りやすい近接性バイアスに関連する失敗例

ここでは近接性バイアスによって人々が陥る失敗例をご紹介します!

国内株に偏重する

たとえば、日本の企業に主に投資している場合、国内経済が不景気になったときに一挙に損失が拡大する可能性があります。地政学的リスクも加わり、多様なリスク要因によってポートフォリオが揺らぎやすくなります。

地元企業への過度な投資

地元で成功している企業に投資することは、その企業が突然破綻や業績不振に陥った際に、大きな財務的ダメージを受けるリスクがあります。その企業が地元経済に大きな影響を持つ場合、その影響はさらに拡大する可能性があります。

自分の業界への特化投資

例えば、IT業界で働いている人がIT関連の株に大量に投資するケースです。業界全体が不景気になると、仕事での収入と投資の双方で大きな損失を被る「ダブルパンチ」の危険性が高まります。

これらの失敗例は、近接性バイアスによって引き起こされる可能性が高いものです。一見安全または合理的に見える投資も、このバイアスによっては大きなリスクを抱えることがあります。

近接性バイアスを避け、失敗を未然に防ぐ対策

いったいどうしたら近接性バイアスの罠から逃れることができるのでしょうか?

資産の多様化

一つの国、企業、または業界に依存するのではなく、様々な資産クラスや地域に投資することでリスクを分散します。例えば、国際株や債券、不動産などもポートフォリオに含めることが有用です。

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投資比率の見直し

身近な企業や業界に投資する際は、その比率を全体のポートフォリオで少なくすることが重要です。過度な集中を避けるために、定期的なリバランスが有効です。

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多角的な情報収集と分析

自分の専門分野や狭い視野に依存しないよう、さまざまな情報源からデータや意見を収集します。ニュース、研究レポート、市場分析などを参考にし、異なる視点を持つ専門家の記事や論文も読むことで、バイアスを軽減できます。

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これらの対策を実施することで、近接性バイアスによる失敗を大きく減らし、より安全かつ効率的な投資が可能になります。

まとめ

近接性バイアスは、多くの投資家が陥りがちな心理的な落とし穴です。このバイアスによって、投資ポートフォリオにおけるリスクが高まる可能性があり、結果として大きな損失を被ることも考えられます。

具体的な失敗例としては、国内株への偏重、地元企業への過度な投資、または自分が働く業界に特化した投資が挙げられます。

それを避けるための対策としては、資産の多様化、投資比率の適切な管理、そして多角的な情報収集と分析が必要です。

これらの方法を採用することで、近接性バイアスからくるリスクを減らし、より安全かつ効率的な投資活動が可能になるでしょう。

近接性バイアスとその影響、対策方法について深く理解することで、より賢い投資選択ができるようになります。

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